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2011年03月17日
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コモ湖の周辺には宝箱のような小さなロマネスク建築が散在している。中世にはマエストロコマチーニと呼ばれるこの地域の石工たちがヨーロッパ中に赴き、ロマネスクの教会堂を建てた。その後イールドフランスに生まれたゴシック建築が石の物質性に打ち勝ち、人間を超えた天に伸びる垂直性へと昇華した「神の家」であったのに比べ、ロマネスク建築は、まだ手垢の付いた石をひとつづつ積み上げた、どこかたまらなく人間臭い建築たちだ。コモから東に10キロほどの家具の生産で有名なCANTU’の街にはそのロマネスク建築の中でも重要な教会、サンビンチェンツのバジリカとサンジョバンニの洗礼堂からなる、ガッリアーノのモニュメントがある。
作られた時代は不詳だが1000年ごろと推測されている。建築設計をするものに取り分け興味深いのは、集中式プランの洗礼堂、サンジョバンニだ。建物を見る前に美しい集中式平面図と、不思議な三層の断面図をみても現実に出現する空間がどんなものか想像することはほとんどできない。本物の洗礼堂は、その期待を裏切らない、魅力に溢れた空間だ。一体、この洗礼堂を考え出した1000年前の石工は、何を思ってこんな形を作り出したのだろう。

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サンビンチェンツォ内陣・外観

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サンジョバンニクーポラ・内観

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サンジョバンニ洗礼堂・正面

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サンジョバンニ洗礼堂トリビューンフレスコ画

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